続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#034 まさかの急な坂(2017.02.03)

自転車に乗る機会が増え、この日は新宿へ。都電荒川線に沿うように南下することにした。

都電雑司ヶ谷から鬼子母神前までは、工事中ながらも線路沿いに道がある。さらに直進すると、目白通り(千登世橋上)に出た。

都電や明治通りを見下ろしてみると、橋が意外に高いことがわかる。

同時に、橋の上から明治通りを結ぶショートカットが階段しかない、つまり自転車ではすぐにアクセスできないことを知る。

少し東に行くと、南に抜ける道があった。が、その先で驚くべき光景に出くわす。

これまでに経験したことのないような急坂・・・自転車に乗ったままではまず下れない坂がそこにはあった。

坂上から見たその傾斜は、難度の高いゲレンデの如し。自転車を降り、蛇行するように下った。

あとで調べたら、23区内屈指の急勾配だった。

坂の名は「のぞき坂」という。自転車だから来れた場所だが、自転車では通れない難所だった。

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#033 北品川橋、品川浦(2017.01.28)

京急泉岳寺新馬場(1.7km)を連続立体交差化する計画があり、その「都市計画素案説明会」が開かれるというので、会場の台場小学校へ足を運んだ。

その道中、通ったのが北品川橋。橋の北側は屋形船のたまり場で、その密度が水面を押さえているようだった。

水は濁っていて、透明感はなかったが、船や船宿など、そこにあるものを映し出し、鏡の如し。鈍い色の中に、空の青も取り込んでいるのが印象的だった。

ここはかつての目黒川。今は品川浦というのだとか。(→参考

時代をずっと遡れば河口部、つまり海が目の前に広がる場所だった。往時の景色を思い描く楽しみがここにはある。

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#032 車窓越しのレインボーブリッジ(2017.01.21)

お台場にある某温泉施設で過ごし、帰りは品川駅行きのシャトルバスに乗る。

バスは、当然のようにレインボーブリッジを経由。低い太陽が照らす東京港を眺めることができた。

都バス以外のバスでこの橋を通るのはおそらく初めて。

その大きな窓からの眺望はなかなかのもの・・・西側のループを下る途中では、橋の全景をしっかり捉えることができた。

窓越しながら、上々の一枚。都バスではこうはいかない。

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#031 新宿区メインの飯田橋交差点(2017.01.13)

昼休み、自転車で飯田橋へ向かう。

南北に目白通り、東西に外堀通りが交差する飯田橋交差点は、大久保通りの分岐も加わり、堂々の五差路。

自転車の横断は可能だが、易々とは行かないのは五差路ゆえの理。信号待ちの間にカメラを向けたところ、通りの名称が歩道橋に付されていることに気付く。

そして所在地の表記は、新宿区下宮比町。その大きな歩道橋は、大部分が新宿区内に入っているので、表記も一応合ってはいるが、階段部分など一部は他の区にかかる。

奥の高速道路は文京区、交差点を右へ進む車の流れの先は千代田区。新宿区が大半を占めるが、一枚の写真に三つの区が収まる。

三区以上の境界にある交差点は他にもあるはず。自転車の機動力を活かして、訪ねてみようと思った。

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#030 丸子橋、日が傾く(2017.01.01)

元日のドライブで、環七通り、中原街道と走る。

中原街道の南西に向けて蛇行する区間では、時に西日の直射が強烈で、一面ご来光の如し。

多摩川を越える丸子橋の手前に来て、その光は橋を煌々と照らしつつも、ようやく穏やかな感じになった。

赤信号で停まっている間に撮ったワンショット。一月一日の陽光は、やはり特別な印象を受ける。

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#029 丸の内仲通りの電飾(2016.12.24)

冬の風物詩、イルミネーション。

丸の内仲通りでは、「丸の内イルミネーション2016」との題で、街路樹に電飾がめぐらされ、煌めく。

通りには多くの人が繰り出しているが、これら木々に灯る単色の光のせいか、辺りは落ち着いた感じに見える。不思議と気持ちも和む。

この先の行幸通りでは、何とも不可思議な演出が展開され、その落ち着かない感じと言ったら、なかった。

イルミネーションイベントは、シンプルかつ密やかでありたい・・・雑踏の中、そう思った。

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#028 浄真寺の紅葉(2016.12.11)

戸越銀座から池上線、大井町線を乗り継いで、九品仏へ。

駅名の由来となった「九品佛」のある浄真寺を訪ねた。

紅葉の名所であることを知ったのはごく最近。12月も中盤に入り、見頃は過ぎたかに思えたが、まだまだ燃えるような赤が見られ、総じて鮮やかだった。

晴れてはいても肌寒い午後。一部が丸まった葉を見れば、寒さが余計に身に染みる。

それでもつい長居してしまう・・・それが紅葉観賞というものなのだろう。

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#027 新生・戸越銀座駅(2016.12.11)

都営浅草線の戸越駅から、歩いて東急池上線戸越銀座駅へ。

木になるリニューアル」というのが気になって、そのリニューアル初日に訪れた。

この日は晴れていたが、気温は低く、その木材(多摩産材)を組んだホーム屋根も引き締まって見えた。

当初予定では、今夏にリニューアル完成とのことだったが、冬場に竣工という形で逆によかったと思う。

木造駅舎と呼ばれるものは全国に多々ある。だが、同じ木造でも、こうした造形、デザインの駅はまずない。

「木たくなる駅」というキャッチフレーズもよさそうだ。

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#026 専大通りの黄葉(2016.12.06)

北風が強く吹く中、専大通りに出る。

堀留橋の近くにあるイチョウは、まだまだ黄色い葉をまといながらも、その強風ゆえ、枝から離れた葉で埋もれんばかり。

路上には、絨毯のように黄葉が重なり、踏むと弾力を感じた。

ひとひらであれば、風で楽に飛ぶ。重なり合うことで、その軽さは消え、重みを増す。

その黄の絨毯は、風でも動じない。しばらく眺めてから、橋を渡った。風は依然として強かった。

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#025 雨上がりの外堀通り(2016.11.19)

御茶ノ水から水道橋へ、神田川に沿って歩く。

中央・総武線の線路に沿うルートもあるが、この日は川に沿う側(外堀通り)にした。

雨は降ったり止んだりだったが、外堀通りを往く間は降られず、沿道の木々などを眺めたり、撮ったり。張りつめた感じの空気がまた心地よかった。

車の通行は少なく、至って静か。

濡れた舗道の深い黒が、その静寂を引き立てているように映った。

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