続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#039 浅草発 新型特急(2017.03.10)

デビュー前の新型車両が、試乗を兼ねて貸切で運転されることがある。

この日は、東武の「Revaty(リバティ)」なる新しい特急用車両がお試しで走るというので、出発地に近い場所で見送ることにした。

浅草発は9:30と10:27の2回。その2回目を待った。姿を見せたのは、予定時刻の数分後だった。

浅草駅を出た列車は、徐行しながらカーブを進み、低速のまま隅田川を渡る。普通も特急も同じ。

スピード感はないが、遅い方が観察するにも撮影するにも好都合というものだ。

実物のRevatyの印象は、コンパクト、精悍、未来的。

ちょうど先頭部に陽の光があたり、より輝かしく見えた。

f:id:ekimei:20170310103316j:plain

#038 鹿浜橋(2017.03.04)

足立区内での環七通りは、東西を直線状に結ぶ区間がメイン。

その直線が終わる西側にあるのが鹿浜橋。橋は、南西方向と北東方向をつなぐ形、即ち「/」の向きで架かり、この付近では北西から南東へ流れる荒川と、地図上で交差する。

その北西方向を撮ってみた。

奥の高い建築物は、川口にあるタワーマンション。55階建てだが、それほど高くは感じない。

橋からタワーまでは、直線で約2.5kmある。遠くはないが、不思議と距離を感じる。

空は、とにかく広かった。

f:id:ekimei:20170304130100j:plain

#037 上野駅13.5番線(2017.02.26)

上野駅の地上ホーム13番線と14番線の間に、新たなホームと通路ができる。

工事が進められているのは承知していたが、気が付くとほぼ出来上がっていて、実に整然とした印象。

通路はひたすら真っ直ぐで、どこまでも続いていくように見える。

この直線空間、両番線の中間にあるので、「13.5番線ホーム」と呼ぶそうだ。

5月にデビューするクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」は、左の13番線に入るが、お客が乗り込むのは、13.5番線。入口には専用のゲートが設けられることになっている。

この構図で撮れるのは、ゲートができる前までか。

2月27日は、札幌発の最後のカシオペアが13番線に入ってくる。

カシオペアと13.5番線」・・・そんな題の写真も多く撮られることだろう。

f:id:ekimei:20170226164742j:plain

#036 梅ヶ丘駅、午後五時(2017.02.04)

梅屋敷の次は、梅ヶ丘。

羽根木公園で、白加賀などの白梅、紅千鳥などの紅梅を観る。

日は伸びたが、午後五時が近づけば辺りは暮色。夕日を受ける梅もなかなかだった。

列車を待つ間、ホームには日没前の光が射し込む。

しばらく眩しかったが、五時台最初の新宿行きが入ってくる頃には、その光は幾分収まった。

淡い光を背にした列車は、その車体特有の色合いを表出・・・静かな寒色、そんな印象を受けた。

「各停」を表示する背景色の青も鮮やかだった。これも光の加減かも知れない。

f:id:ekimei:20170204170226j:plain

#035 梅屋敷公園にて(2017.02.04)

2月4日、立春

梅を観るにはまだ早いと思いつつも、梅とゆかりのある場所を訪ねることにした。

まずは、京急の梅屋敷。京急蒲田に向かい歩いて行くと、駅名の由来でもある梅屋敷公園に出る。

思いがけず、多くの梅が開花していて、辺りにはその香りが漂っていた。

写真の背景は、京急の高架。電車からは見下ろす格好になる。

車窓からの観梅もいいかも知れない。

f:id:ekimei:20170204141651j:plain

#034 まさかの急な坂(2017.02.03)

自転車に乗る機会が増え、この日は新宿へ。都電荒川線に沿うように南下することにした。

都電雑司ヶ谷から鬼子母神前までは、工事中ながらも線路沿いに道がある。さらに直進すると、目白通り(千登世橋上)に出た。

都電や明治通りを見下ろしてみると、橋が意外に高いことがわかる。

同時に、橋の上から明治通りを結ぶショートカットが階段しかない、つまり自転車ではすぐにアクセスできないことを知る。

少し東に行くと、南に抜ける道があった。が、その先で驚くべき光景に出くわす。

これまでに経験したことのないような急坂・・・自転車に乗ったままではまず下れない坂がそこにはあった。

坂上から見たその傾斜は、難度の高いゲレンデの如し。自転車を降り、蛇行するように下った。

あとで調べたら、23区内屈指の急勾配だった。

坂の名は「のぞき坂」という。自転車だから来れた場所だが、自転車では通れない難所だった。

f:id:ekimei:20170203093533j:plain

#033 北品川橋、品川浦(2017.01.28)

京急泉岳寺新馬場(1.7km)を連続立体交差化する計画があり、その「都市計画素案説明会」が開かれるというので、会場の台場小学校へ足を運んだ。

その道中、通ったのが北品川橋。橋の北側は屋形船のたまり場で、その密度が水面を押さえているようだった。

水は濁っていて、透明感はなかったが、船や船宿など、そこにあるものを映し出し、鏡の如し。鈍い色の中に、空の青も取り込んでいるのが印象的だった。

ここはかつての目黒川。今は品川浦というのだとか。(→参考

時代をずっと遡れば河口部、つまり海が目の前に広がる場所だった。往時の景色を思い描く楽しみがここにはある。

f:id:ekimei:20170128132558j:plain

#032 車窓越しのレインボーブリッジ(2017.01.21)

お台場にある某温泉施設で過ごし、帰りは品川駅行きのシャトルバスに乗る。

バスは、当然のようにレインボーブリッジを経由。低い太陽が照らす東京港を眺めることができた。

都バス以外のバスでこの橋を通るのはおそらく初めて。

その大きな窓からの眺望はなかなかのもの・・・西側のループを下る途中では、橋の全景をしっかり捉えることができた。

窓越しながら、上々の一枚。都バスではこうはいかない。

f:id:ekimei:20170121162136j:plain

#031 新宿区メインの飯田橋交差点(2017.01.13)

昼休み、自転車で飯田橋へ向かう。

南北に目白通り、東西に外堀通りが交差する飯田橋交差点は、大久保通りの分岐も加わり、堂々の五差路。

自転車の横断は可能だが、易々とは行かないのは五差路ゆえの理。信号待ちの間にカメラを向けたところ、通りの名称が歩道橋に付されていることに気付く。

そして所在地の表記は、新宿区下宮比町。その大きな歩道橋は、大部分が新宿区内に入っているので、表記も一応合ってはいるが、階段部分など一部は他の区にかかる。

奥の高速道路は文京区、交差点を右へ進む車の流れの先は千代田区。新宿区が大半を占めるが、一枚の写真に三つの区が収まる。

三区以上の境界にある交差点は他にもあるはず。自転車の機動力を活かして、訪ねてみようと思った。

f:id:ekimei:20170113135630j:plain

#030 丸子橋、日が傾く(2017.01.01)

元日のドライブで、環七通り、中原街道と走る。

中原街道の南西に向けて蛇行する区間では、時に西日の直射が強烈で、一面ご来光の如し。

多摩川を越える丸子橋の手前に来て、その光は橋を煌々と照らしつつも、ようやく穏やかな感じになった。

赤信号で停まっている間に撮ったワンショット。一月一日の陽光は、やはり特別な印象を受ける。

f:id:ekimei:20170101160351j:plain