続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#058 表参道の光彩(2017.08.05)

土曜の夜7時過ぎ。

原宿駅に向かって表参道を歩いていると、煌びやかな中にも落ち着いた感じの建物が目に留まる。

表参道の雰囲気というのは、こうした建物が醸す光や色が重なってつくられるのだろう。

左は、原宿クエスト。照明が少ない分、トーンは暗め。街路樹も黒々していて、夜空の群青を際立たせる。

建物、街路、街灯、樹木・・・こうした要素が互いに引き立て合う中で、その街の光彩が表出するのだと思う。

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#057 青山のアオ(2017.08.01)

表参道駅で降りるのも、青山通りを歩くのもかなり久々。

スパイラルホールの前の出口から表に出ると、未来的な印象の複合商業ビルが目に入った。

ビルの名称は、「Ao」(アオ)。

低層と高層の二棟から成る。高さは違うが、窓周りのデザインは共通。オープンからすでに8年以上経っているそうだが、今なお斬新だと思う。

ここはかつて、表参道の高級感を支えてきたスーパー紀ノ国屋があった場所。

高層建築物を見上げつつ、かつての紀ノ国屋を思い返す。

最後に訪れたのはいつだったか... 随分と昔の話になってしまったのは確かだ。

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#056 下板橋カーブ(2017.07.20)

朝9時頃、所用で東武東上線下板橋駅に足を運ぶ。

ホームで上り列車を待っていたら、不意に濃い青色の列車が通り過ぎて行った。

「フライング東上号」のリバイバル編成・・・またの名を「青い鳥号」という。

あわてて撮ったので、車両の輪郭がぼやけているが、往年の列車の復刻という意味では、この方が趣が感じられていいかも知れない。

背景の階段状の建物は、この角度だと一体に見えるが、実は三棟のマンションが重なったもの。

行楽列車「フライング東上号」が現役だった1949~1967年には、下板橋駅とそのカーブは変わらなくとも、こうした高層建築物はなく、空が広く見えたに違いない。

同じ構図で写真を撮れば、「青空と青い鳥号」といった表題も十分あり得たと思う。

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#055 西新橋の夕照(2017.07.19)

梅雨明けが宣言された日の夕刻。

外堀通りを西新橋交差点に向かって歩いていると、その先の西の空が紅くなっていて、ふと足が止まる。

その色は、仄かだが強い。

残照は建物にも投影し、紅が一帯に広がる。

この感じだと、明日も晴れ。暑さも厳しくなりそうだ。

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#054 雨中のサンシャイン60(2017.07.04)

19時頃の板橋駅。空はまだ明るかった。

台風3号が近づく中、雨は少しずつ強くなる。ホーム南側から望むサンシャイン60も雨で霞む。

ただ、そのおぼろげな中でも、存在感は十分。それがランドマークというものだろう。

撮り終えて、下り列車に乗る。雨はその後、20時台に激しさを増した。雷鳴も響いた。

その時間帯、サンシャイン60はどのように見えたのだろう?

いや、雨にかき消されていたかも知れない。

それほど強烈な雨だった。

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#053 変わりゆく新橋駅(2017.06.29)

列車で通ることは度々あっても、外から見ることは最近なかった新橋駅。

久々にSL広場に来たところ、その変わりように大いに驚く。

大屋根の工事については、過去に何度か目にしているものの、いよいよ巨大構造物が姿を現した…そんな印象を受けた。

雨が降りそうで降らなかった日。蒸し暑さを感じる中、厚い屋根はより厚く、重々しく映った。

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#052 国立西洋美術館(2017.06.24)

7月中旬並みの暑さの中、上野公園へ。

お目当ては、「台湾フェスティバル」。ただし、人出が多い上に、陽射しが強く、長居できる場所ではなかった。

そのまま帰ってしまうのは惜しいので、国立西洋美術館に立ち寄る。世界文化遺産に登録されて以降、場内に入ったのは初めてだった。

目に付いたのは、「カレーの市民」(ロダン作)。

重々しい群像が強い日射を浴び、より重厚な印象を受ける。

作品テーマの通り、表情からは苦悩が読み取れるが、それを上回る威厳を感じた。

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#051 新宿西口(2017.06.19)

新宿駅の西口地下、ロータリーからのおなじみの光景を撮る。

SUBARUの広告物に今は時計がないので、時刻を証明できる写真にはならないが、この明るさで実は19時過ぎ。

梅雨の合間、かつ、夏至の週・・・空に青さが残る19時台の写真が撮れるチャンスは案外限られている。

撮れるだけ撮っておこうと思う。

...夏至の当日は、雨の予報。

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#050 日本橋(2017.06.01)

神田鐵道倶楽部」なる「鉄道バル」がオープンするというので、自転車で神田駅に繰り出す。その延長で、三越前日本橋にも寄ってみた。

当の日本橋に着いたのは19時過ぎ。ちょうど車の通行が途切れたタイミングで、橋をメインに撮ることができた。

こうして見ると、日本橋というのは結構幅広なのがわかる。

同じく幅のある高速道路がその上を横切る。

板状の面には、橙や白などの照明が反射して、景観に彩りを添えるよう。

間接的な光の演出、その好例だと思った。

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#049 初夏の陽気とN700A(2017.05.28)

日曜、15時半頃。6月下旬並みという気温の中、有楽町駅の東口に立つ。

駅前ではちょっとしたイベントがあり、人が集まる。その分、熱気も増し、暑さがこたえた。

そこへ下りの新幹線・・・N700Aが涼しげに通り過ぎる。

青のラインは、一服の清涼剤。線を目で追う間は、暑さを忘れることができた。

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