続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#066 大崎広小路の空(2017.10.09)

10月9日、東急池上線が終日乗り降り自由という一大イベントがあり、乗じさせてもらった。

帰りは、五反田まで出ずに、手前の大崎広小路で下車。五反田までは400mほどなので、散歩するにはちょうどいい。

駅を出ると、山手通りをまたぐ池上線の高架が目に入る。

複線の高架橋は一体になっているのが当たり前のように思うが、上り、下りで高架が分かれているタイプもある。

高架橋が重厚な色合いを見せる一方で、それらの間から見える空は明るく、清々しかった。

空が西日で紅くなってきたのは、この20分後のことだった。

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#065 旧古河庭園(2017.10.01)

10月1日の「都民の日」で入園無料になる施設の一つ、旧古河庭園に足を運んだ。

秋のバラにはまだ早いと思われたが、花盛りのものもそれなりにあって、その色、香りを楽しむことができた。

洋館前の一角では、ピンクと薄紫を合わせたような色のバラがひときわ目に付いた。

名は「ラ・フランス」。

同名の洋梨と同じ、こちらもフランス*1原産だそうだ。

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*1:そのフランスでは新しい香水が売り出されるのが、10月に入ってからという話がある。日本では、それを受け、10月1日=「香水の日」にもなっている。

#064 滝野川橋梁(2017.09.21)

石神井川に沿って、西へ向かった。

板橋駅方面に出るには、もっと手前で左に曲がる必要があったが、そのまま川沿いに進んだため、埼京線の橋梁の下まで来た。

名称は、付近の地域名からとって「滝野川橋梁」*1。橋の下を流れる川は、あくまで石神井川・・・名称の妙に思いを馳せつつ、橋を見上げ、空を眺める。

今年最後の真夏日*2が予想された日。

空気は乾いた感じで、爽秋と呼ぶにふさわしい日の朝だった。

爽やかな空の下、空色のラインの列車が爽快に過ぎて行った。

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*1:所在地は、板橋区板橋4丁目

*2:結果的に、9/21の東京の最高気温は29.5℃。真夏日にはならなかった。

#063 白、青、緑、赤・・・丸の内北口の彩色(2017.09.06)

東京駅丸の内北口を出ると、鮮やかな色彩が目に付いた。

その「色窓」は、日本生命丸の内ビルの街路に面した部分。

特に、赤、緑、青は見事で、見入ってしまった。「魅入る」という表現の方が合うかも知れない。

調べたところ、「Tokyo2020」のムーブメント創出の一環で、オリンピックを象徴する色を用いたライトアップを展開しているとのこと。(→参考

オリンピックに関わりなく、街を彩る取り組みとして続けていいと思う。

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#062 新河岸大橋からの眺め(2017.09.02)

環八通りから北区の浮間地区に出る時に通るのが新河岸大橋。

その名の通り、新河岸川に架かる橋だが、大橋と呼ぶほどのスケール感はなく、いい意味で通行はしやすい。

橋の中央付近から、東の方角を眺めた。

全体的に暗めだが、右岸のグリーンの照明がアクセントとなり、色みのある光景が広がる。

川面に映る光は、緑と白を混ぜるようにして漂い、揺れる。

この辺りは、川の中央に区境があり、光を湛えたその面は、板橋区になる。

立ち止まった場所は、中央よりやや北寄り。北区になる。

漫然と通り過ぎてしまう区の境界を意識させる。そんな投光、反射だった。

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#061 新宿東口(2017.08.28)

髙島屋を出て、地上の街路を歩き、新宿駅に向かう。

新南口は大きく変わったが、南口から東口にかけての光景はさほど変化なく、不思議と落ち着く感じがした。

夜8時頃、新宿通りに面したビルの並びが一望できる場所に着く。

これも見慣れた眺めのはずが、美装を施した建物が増えたせいか、煌々とした印象・・・一瞬、目を疑った。

変化していないようで、変化している。それが新宿という街なのだと改めて思う。

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#060 雨の大崎駅(2017.08.19)

積乱雲の下に入ると、辺りは暗さを増し、両側の車窓にはいつしか大粒の雨。

湘南新宿ラインで、新川崎、武蔵小杉と進む間、列車は洗車機を通るような状態*1だった。

降雨が続く中、列車は大崎駅に着く。2分ほど停車時間があったので、ホームに出て、雨の様子を見る。

まだそれなりに降っていて、涼しさを感じた。

南側に視線を移すと、新幹線が左方向に進むのが見え、その下から大崎止まりの列車が姿を見せた。

車体も前照灯もくっきりと見え、雨の中ということを感じさせない。

空気が澄んでいた、ということかも知れない。

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*1:多摩川花火大会会場の二子玉川付近が豪雨と強風で大変なことになっていたのは、これと同じ頃と思われる。

#059 旧新橋停車場と背景の二棟(2017.08.18)

新橋に寄ったついでに、旧新橋停車場(鉄道歴史展示室)に向かう。

歴史ある建物と、その背景にある高層建築物。配置の妙もあって、新旧で調和がとれている印象を受ける。

高いのは、パナソニックのビル(左)と、汐留シティセンター(右)。ともに堂々たる建物だが、それらに守られるように建つ旧新橋停車場は、風格や威厳といったものを感じさせ、存在感は大。

高層の二棟は、引き立て役と言っていいかも知れない。

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#058 表参道の光彩(2017.08.05)

土曜の夜7時過ぎ。

原宿駅に向かって表参道を歩いていると、煌びやかな中にも落ち着いた感じの建物が目に留まる。

表参道の雰囲気というのは、こうした建物が醸す光や色が重なってつくられるのだろう。

左は、原宿クエスト。照明が少ない分、トーンは暗め。街路樹も黒々していて、夜空の群青を際立たせる。

建物、街路、街灯、樹木・・・こうした要素が互いに引き立て合う中で、その街の光彩が表出するのだと思う。

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#057 青山のアオ(2017.08.01)

表参道駅で降りるのも、青山通りを歩くのもかなり久々。

スパイラルホールの前の出口から表に出ると、未来的な印象の複合商業ビルが目に入った。

ビルの名称は、「Ao」(アオ)。

低層と高層の二棟から成る。高さは違うが、窓周りのデザインは共通。オープンからすでに8年以上経っているそうだが、今なお斬新だと思う。

ここはかつて、表参道の高級感を支えてきたスーパー紀ノ国屋があった場所。

高層建築物を見上げつつ、かつての紀ノ国屋を思い返す。

最後に訪れたのはいつだったか... 随分と昔の話になってしまったのは確かだ。

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