続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#070 御徒町の新館(2017.11.09)

上野松坂屋の南館がなくなった後、しばらく来ない間に新しい建物ができていた。

見上げても高層部分がわからない。

あとで調べたら22階の高さ。上野・御徒町エリアではかなり高い部類だと思う。

高層ビルの名は、「上野フロンティアタワー」。

6階までの低層部分は「パルコ」の新業態店舗が入り、かつての南館同様、松坂屋本館とを結ぶ連絡通路が架けられていた。

再び姿を現した連絡通路。見事なまでに白一色。

夜空の黒が、その白さを際立たせていた。

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#069 成城学園に続く道(2017.11.03)

2017年は、成城学園創立100周年。

文化の日には、恒例の文化祭が開かれるので、節目の年にあわせて訪ねることにした。

成城学園前駅から北に進むと、イチョウ並木の道に出る。

右に曲がれば、学園の正門(大学入口)に通じる。

並木の奥、「SEIJO FESTIVAL」の文字が見えた。

アニバーサリー年の催しの象徴になり得るゲートだが、どこかおとなしい趣で、遠くから見るとイチョウの木々に遠慮しているようにも映る。

景観を損ねない設定ということだろう。

学園あっての街、街あっての学園...

成城らしさを感じた。

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#068 中央公園文化センター(2017.10.30)

2週続けての週末の台風、そして月曜の青空。

空の青が映えるであろう白い建物がある場所に寄ってみた。

北区有数の広さを誇る中央公園には、その白さで名高い文化センターがある。

建物の歴史は決して明るいとは言えないが、外観を見る限りでは、実に燦然としていて、優雅な印象すら受ける。

思っていた以上に鮮やかだった青と白。こうした一枚は、台風明けならではと思う。

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#067 台風一過@一ツ橋交差点(2017.10.23)

10月中旬以降、日中に青空が見られたのは、12日、18日... 台風21号が去った23日は、久々に青い空が広がった。

14時前、風はまだ強かった。

雲は不思議と悠然としていて、風の流れを感じさせなかった。

空の青がより明瞭に見えるのは、雨と風で空気の透明感が増したことに加え、雲の動きが少なかったことも一因か。

綿雲の白さがまた鮮明だった。

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#066 大崎広小路の空(2017.10.09)

10月9日、東急池上線が終日乗り降り自由という一大イベントがあり、乗じさせてもらった。

帰りは、五反田まで出ずに、手前の大崎広小路で下車。五反田までは400mほどなので、散歩するにはちょうどいい。

駅を出ると、山手通りをまたぐ池上線の高架が目に入る。

複線の高架橋は一体になっているのが当たり前のように思うが、上り、下りで高架が分かれているタイプもある。

高架橋が重厚な色合いを見せる一方で、それらの間から見える空は明るく、清々しかった。

空が西日で紅くなってきたのは、この20分後のことだった。

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#065 旧古河庭園(2017.10.01)

10月1日の「都民の日」で入園無料になる施設の一つ、旧古河庭園に足を運んだ。

秋のバラにはまだ早いと思われたが、花盛りのものもそれなりにあって、その色、香りを楽しむことができた。

洋館前の一角では、ピンクと薄紫を合わせたような色のバラがひときわ目に付いた。

名は「ラ・フランス」。

同名の洋梨と同じ、こちらもフランス*1原産だそうだ。

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*1:そのフランスでは新しい香水が売り出されるのが、10月に入ってからという話がある。日本では、それを受け、10月1日=「香水の日」にもなっている。

#064 滝野川橋梁(2017.09.21)

石神井川に沿って、西へ向かった。

板橋駅方面に出るには、もっと手前で左に曲がる必要があったが、そのまま川沿いに進んだため、埼京線の橋梁の下まで来た。

名称は、付近の地域名からとって「滝野川橋梁」*1。橋の下を流れる川は、あくまで石神井川・・・名称の妙に思いを馳せつつ、橋を見上げ、空を眺める。

今年最後の真夏日*2が予想された日。

空気は乾いた感じで、爽秋と呼ぶにふさわしい日の朝だった。

爽やかな空の下、空色のラインの列車が爽快に過ぎて行った。

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*1:所在地は、板橋区板橋4丁目

*2:結果的に、9/21の東京の最高気温は29.5℃。真夏日にはならなかった。

#063 白、青、緑、赤・・・丸の内北口の彩色(2017.09.06)

東京駅丸の内北口を出ると、鮮やかな色彩が目に付いた。

その「色窓」は、日本生命丸の内ビルの街路に面した部分。

特に、赤、緑、青は見事で、見入ってしまった。「魅入る」という表現の方が合うかも知れない。

調べたところ、「Tokyo2020」のムーブメント創出の一環で、オリンピックを象徴する色を用いたライトアップを展開しているとのこと。(→参考

オリンピックに関わりなく、街を彩る取り組みとして続けていいと思う。

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#062 新河岸大橋からの眺め(2017.09.02)

環八通りから北区の浮間地区に出る時に通るのが新河岸大橋。

その名の通り、新河岸川に架かる橋だが、大橋と呼ぶほどのスケール感はなく、いい意味で通行はしやすい。

橋の中央付近から、東の方角を眺めた。

全体的に暗めだが、右岸のグリーンの照明がアクセントとなり、色みのある光景が広がる。

川面に映る光は、緑と白を混ぜるようにして漂い、揺れる。

この辺りは、川の中央に区境があり、光を湛えたその面は、板橋区になる。

立ち止まった場所は、中央よりやや北寄り。北区になる。

漫然と通り過ぎてしまう区の境界を意識させる。そんな投光、反射だった。

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#061 新宿東口(2017.08.28)

髙島屋を出て、地上の街路を歩き、新宿駅に向かう。

新南口は大きく変わったが、南口から東口にかけての光景はさほど変化なく、不思議と落ち着く感じがした。

夜8時頃、新宿通りに面したビルの並びが一望できる場所に着く。

これも見慣れた眺めのはずが、美装を施した建物が増えたせいか、煌々とした印象・・・一瞬、目を疑った。

変化していないようで、変化している。それが新宿という街なのだと改めて思う。

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