続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#076 ビルの谷間、大手町の夜空(2017.12.04)

大手町界隈を行き当たりばったりで移動していると、どこにいるのかがわからなくなることがある。

高層ビル*1が集まり、それらの下が公開空地のようになっている場所にふと行き着く。

見上げると、区画整理されたような空。

そんな窮屈な感じの空から、雨粒が落ちてきたのは数分後のことだった。

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*1:建物は時計回りに、KDDI大手町ビル、星のや東京、大手町フィナンシャルシティ「グランキューブ」

#075 旧中山道仲宿交差点角(2017.11.29)

自転車で走りやすい道を探っていると、どうやら旧街道がいいらしいというのがわかってくる。

北区と板橋区の境界にあたる道を南下していると、途中から旧中山道に入る。

都営三田線の駅で言うなら、板橋本町から板橋区役所前にかけての1km余り。この区間は、多少の起伏があるだけで、至って走りやすく、実に快適だった。

板橋区役所前駅に近い場所に、仲宿エリアと板橋宿エリアを分かつ「旧中山道仲宿交差点」がある。ひと休みしつつ、その板橋宿側を何気なく撮ってみた。

旧街道の佇まいとはまた異なる趣。程よく鄙びた感じの珈琲店が目を惹く。

店名は「CADOT」(カド)。交差点の角ゆえの名称ということで間違いなさそうだ。

この角を起点に旧街道を進むと、概ね1.1kmで板橋駅前、2.2kmで都電荒川線の庚申塚、3.3kmで巣鴨駅に出る。

里程の目安としても使えそうな店だと思う。

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#074 六ツ又陸橋からの眺め(2017.11.26)

目的地の住所が不確かだったせいで、池袋界隈を大回りすることになってしまった日曜夕方。

16時頃に歩いていたのは、山手貨物線と山手線に架かる六ツ又陸橋だった。

西の空にはすでに暮色が入り、その反射が「健康プラザとしま」の壁面状の硝子に映る。

空も明るいが、その硝子面がまた眩しい。

対照的に線路は暗く、清掃工場の巨塔も影が直立しているかのよう。

時間がずれていたら、このようなコントラストにはならなかったかも知れない。

大回りの成果だと、今は思う。

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#073 国立施設の輝き(2017.11.22)

比較的近所にある施設というのは、いつでも行けると思っている分、意外と足が向かないもの。

意を決して、桐ヶ丘から十条に向かう道を自転車で走ってみることにした。国立スポーツ科学センターは、その道中にある。

北区にある国立施設の中では、大いに目立つ存在だと思う。

威容を誇るその建造物は、朝の陽射しを受け、より輝かしく、かつ誇らしく映った。

道路はこの辺り、西が丘に入ったところから「ROUTE2020 トレセン通り」という愛称が付されている。

ルート上のランドマークであることは勿論のこと、このスケール感からすれば、十条・赤羽エリアの一大スポットと言ってもいいくらいだろう。

もっと早く見に来るべきだった、そう思った。

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#072 平和の森公園(2017.11.14)

新宿に来たついでに、西武新宿線探訪に出ることにした。

めざしたのは、連続立体交差事区間(中井~野方)にある駅の一つ、沼袋。

いずれ地下化されるその駅の南口は、商店街が続く北口と異なり、閑静な佇まい。

妙正寺川を越えると、道は坂になり、その坂に接するように平和の森公園が広がる。

木々や舗道に秋らしい色合いを感じる。

聞こえるのは、落ち葉が地面を滑る音くらい。

静けさが印象に残る公園だった。

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#071 インパクトある高層ビル(2017.11.14)

西新宿の高層ビル街を歩いていたら、何やらインパクトのある巨獣がビル壁に描かれているのが目に留まった。

描かれていたのは「ゴジラ」。

関連する映画が先だって地上波初放送され、その盛り上がりが話題になっていたこともあり、タイムリーだと思う一方、この高さに迫る巨大生物がもし実在したなら、という空想も生じる。

空恐ろしさを感じずにはいられなかった。

ただそこにビルが並ぶだけなら、深まる秋の都会といった趣だが、こうしたアクセントが加わることで、画面の印象が変わる・・・

「新宿観光大使」の本領発揮と言えそうだ。

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#070 御徒町の新館(2017.11.09)

上野松坂屋の南館がなくなった後、しばらく来ない間に新しい建物ができていた。

見上げても高層部分がわからない。

あとで調べたら22階の高さ。上野・御徒町エリアではかなり高い部類だと思う。

高層ビルの名は、「上野フロンティアタワー」。

6階までの低層部分は「パルコ」の新業態店舗が入り、かつての南館同様、松坂屋本館とを結ぶ連絡通路が架けられていた。

再び姿を現した連絡通路。見事なまでに白一色。

夜空の黒が、その白さを際立たせていた。

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#069 成城学園に続く道(2017.11.03)

2017年は、成城学園創立100周年。

文化の日には、恒例の文化祭が開かれるので、節目の年にあわせて訪ねることにした。

成城学園前駅から北に進むと、イチョウ並木の道に出る。

右に曲がれば、学園の正門(大学入口)に通じる。

並木の奥、「SEIJO FESTIVAL」の文字が見えた。

アニバーサリー年の催しの象徴になり得るゲートだが、どこかおとなしい趣で、遠くから見るとイチョウの木々に遠慮しているようにも映る。

景観を損ねない設定ということだろう。

学園あっての街、街あっての学園...

成城らしさを感じた。

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#068 中央公園文化センター(2017.10.30)

2週続けての週末の台風、そして月曜の青空。

空の青が映えるであろう白い建物がある場所に寄ってみた。

北区有数の広さを誇る中央公園には、その白さで名高い文化センターがある。

建物の歴史は決して明るいとは言えないが、外観を見る限りでは、実に燦然としていて、優雅な印象すら受ける。

思っていた以上に鮮やかだった青と白。こうした一枚は、台風明けならではと思う。

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#067 台風一過@一ツ橋交差点(2017.10.23)

10月中旬以降、日中に青空が見られたのは、12日、18日... 台風21号が去った23日は、久々に青い空が広がった。

14時前、風はまだ強かった。

雲は不思議と悠然としていて、風の流れを感じさせなかった。

空の青がより明瞭に見えるのは、雨と風で空気の透明感が増したことに加え、雲の動きが少なかったことも一因か。

綿雲の白さがまた鮮明だった。

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