続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#080 本郷通り(2017.12.11)

19時過ぎの本郷通り。東大の赤門辺りから、本郷郵便局の方向を撮る。

12月上旬はまだ黄葉をまとっていた街路樹。樹々が織り成す景観をテーマに撮ったのだが、目立つのは街灯の暖色の方だった。

その光は、望遠鏡で捉えた巨星や球状星団のよう。間隔は変則的だが、つなぐと線になる。軌跡のようにも見える。

信号の青もまた眩しい。こちらはフィルターを通した恒星のよう。寒色だが、温度を感じる。

道を飾る星々。そんな題でもよさそうだ。

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#079 日没前の環七通り(2017.12.10)

自転車で中野区に入り、丸ノ内線車両基地イベントでゆったりと午後を過ごした帰り。

帰路の選択肢はいくつかあったが、方南町から素直に環七通りを北上することにした。

ポイントは、環七通り沿道の景観を日没前にどこまで押さえられるか...

結果的には、青梅通りと大久保通りの間付近で撮ったこの一枚が、日が暮れる前のラストになった。

場所は、高円寺南一丁目。道も空も広さがあり、開放的な気分に浸れた。

環七通りはこの後、約9kmを走行。

次は明るいうちに走りたいものだと思う。

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#078 花園神社(2017.12.10)

自転車で飯田橋へ。外堀通りに入れば、千代田区から新宿区になる。

市ヶ谷で交わるのは、靖国通り。アップダウンはあるが、この通りを西に進めばいずれ新宿に出る。

道中、合羽坂や富久町などで足を止めつつだったため、新宿五丁目の交差点付近に着いたのは12時近く。市ヶ谷を出て、20分が経っていた。

新宿に入れば、見慣れた光景が多いだろうから、信号以外で停まる要素は少ないはず。だが、交差点を過ぎたところで、思いがけず停車することになる。

花園神社の鳥居、その背後の黄葉・・・その限られた空間に入る光の加減がまた佳かった。

参道に向かって一礼し、引き続き西をめざす。

中野区に入るまで、それほど時間はかからなかった。

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#077 白い博物館と白い列車(2017.12.09)

両国駅の3番線で、サイクルトレインBOSO BICYCLE BASE」(B.B.BASE)の展示会*1があった。

総武線のホームで構えると、背景には江戸東京博物館が入る。

白い大きな博物館と、白を基調にした列車。

年明けからは、土日を中心にこの構図が再現される。

両国駅の新名物になりそうだ。

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*1:「B.B.BASE」は、209系を改造した車両。今回のイベント開催日を"1209"にしたのは妙案だと思う。

#076 ビルの谷間、大手町の夜空(2017.12.04)

大手町界隈を行き当たりばったりで移動していると、どこにいるのかがわからなくなることがある。

高層ビル*1が集まり、それらの下が公開空地のようになっている場所にふと行き着く。

見上げると、区画整理されたような空。

そんな窮屈な感じの空から、雨粒が落ちてきたのは数分後のことだった。

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*1:建物は時計回りに、KDDI大手町ビル、星のや東京、大手町フィナンシャルシティ「グランキューブ」

#075 旧中山道仲宿交差点角(2017.11.29)

自転車で走りやすい道を探っていると、どうやら旧街道がいいらしいというのがわかってくる。

北区と板橋区の境界にあたる道を南下していると、途中から旧中山道に入る。

都営三田線の駅で言うなら、板橋本町から板橋区役所前にかけての1km余り。この区間は、多少の起伏があるだけで、至って走りやすく、実に快適だった。

板橋区役所前駅に近い場所に、仲宿エリアと板橋宿エリアを分かつ「旧中山道仲宿交差点」がある。ひと休みしつつ、その板橋宿側を何気なく撮ってみた。

旧街道の佇まいとはまた異なる趣。程よく鄙びた感じの珈琲店が目を惹く。

店名は「CADOT」(カド)。交差点の角ゆえの名称ということで間違いなさそうだ。

この角を起点に旧街道を進むと、概ね1.1kmで板橋駅前、2.2kmで都電荒川線の庚申塚、3.3kmで巣鴨駅に出る。

里程の目安としても使えそうな店だと思う。

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#074 六ツ又陸橋からの眺め(2017.11.26)

目的地の住所が不確かだったせいで、池袋界隈を大回りすることになってしまった日曜夕方。

16時頃に歩いていたのは、山手貨物線と山手線に架かる六ツ又陸橋だった。

西の空にはすでに暮色が入り、その反射が「健康プラザとしま」の壁面状の硝子に映る。

空も明るいが、その硝子面がまた眩しい。

対照的に線路は暗く、清掃工場の巨塔も影が直立しているかのよう。

時間がずれていたら、このようなコントラストにはならなかったかも知れない。

大回りの成果だと、今は思う。

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#073 国立施設の輝き(2017.11.22)

比較的近所にある施設というのは、いつでも行けると思っている分、意外と足が向かないもの。

意を決して、桐ヶ丘から十条に向かう道を自転車で走ってみることにした。国立スポーツ科学センターは、その道中にある。

北区にある国立施設の中では、大いに目立つ存在だと思う。

威容を誇るその建造物は、朝の陽射しを受け、より輝かしく、かつ誇らしく映った。

道路はこの辺り、西が丘に入ったところから「ROUTE2020 トレセン通り」という愛称が付されている。

ルート上のランドマークであることは勿論のこと、このスケール感からすれば、十条・赤羽エリアの一大スポットと言ってもいいくらいだろう。

もっと早く見に来るべきだった、そう思った。

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#072 平和の森公園(2017.11.14)

新宿に来たついでに、西武新宿線探訪に出ることにした。

めざしたのは、連続立体交差事区間(中井~野方)にある駅の一つ、沼袋。

いずれ地下化されるその駅の南口は、商店街が続く北口と異なり、閑静な佇まい。

妙正寺川を越えると、道は坂になり、その坂に接するように平和の森公園が広がる。

木々や舗道に秋らしい色合いを感じる。

聞こえるのは、落ち葉が地面を滑る音くらい。

静けさが印象に残る公園だった。

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