続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#090 板橋、石神井川、満開の桜(2018.03.27)

中山道を自転車で往けば、石神井川に架かる「板橋」を通る。

沿道屈指の桜の名所とあれば、足を止めない訳にはいかない。

三月の最終週で桜はすでに満開。

枝ぶりのいい桜が競うように咲き誇り、月曜から毎日のように楽しませてもらっている。

木曜になると、早くも散る花が多くなってきた。

火曜の朝は、風に舞う花は至って少数だった。

川面の青が、光と静寂を湛えながら移ろう。

桜の華々しさを抑えるようにも引き立てるようにも見えるのが印象的だった。

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#089 東京ミッドタウン日比谷(2018.03.26)

出勤前、自転車で日比谷通りを走る。

日比谷公園の近くに来ると、どことなく違う空気が感じられ、見上げると高層の建築物。

東京ミッドタウン日比谷」…その名前が出てくるのに時間はかからなかった。

グランドオープンは3日後だが、すでに街のランドマークとして定着している印象を受けた。

次は仕事帰りに訪ねようと思う。

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#088 間もなく代々木上原(2018.03.11)

小田急線の複々線区間が全面開業した後、そのメリットを活かしたダイヤ改正が行われるまで、2週間という期間が設けられた。

その「慣らし運転」とも言える最中の日曜日、千代田線に直通する急行に、下北沢から乗った。

かつて、下北沢~東北沢は地上で複線、東北沢は通過待ちの線路を含めて複々線、東北沢~代々木上原は高架で複線*1と、変化に富んでいた。

複々線の全面開業により、東北沢~代々木上原は、地下複々線~高架複々線という形になり、線路が増えたり減ったりというのがなくなった。つまり、わかりやすくなった訳だ。

地下の東北沢駅は世田谷区に位置する。地下から出ると渋谷区に入り、進行方向右手には、上原、駒場といった名だたるエリアが広がる。

建物に変化はあっても、眺望自体は複々線化工事の前も後も変わらない。

いつもながらいい眺めだと思う。

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*1:複々線化工事の過程で、一時的に通過線と千代田線用の線路をつなぐ形で複々線にしたり、その複々線を複線に戻したりと、東北沢~代々木上原は線路容量が度々変化している。

#087 これより不忍通り(2018.03.03)

椿山荘の近くにある野間記念館で展覧会を観た後、目白通りをひたすら西へ歩く。

目白駅までは約2km。途中、文京区と豊島区の区境を通る。

区境付近には三差路(目白台二丁目交差点)がある。一本は、目白通りから分岐するように延びる不忍通り

千石、千駄木不忍池などで一部区間を通ることはあっても、その起点を認識することはこれまでなかった。

目白通りと接していたというのを今更ながら知る。地理を思い描けばすぐにわかりそうなものだが、現地に来て実感することもまた多い。

道の先は、護国寺であり、大塚であり、普段よく横断する千石界隈に通じる。

いつか自転車で全区間を走破・・・そんな気を起こさせる、正に“起点”だった。

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#086 高輪いちょう坂(2018.02.25)

2月25日は、京浜急行創立記念日。120周年にあたる当日、京急全線で使える「優待乗車証」などが沿線10か所で配られ、その一つ、ウィング高輪へ出かけた。

20分余り並んで乗車証を手にし、その場を後に。広い場所に出ると、なだらかな坂が目に入った。

坂の名前は「いちょう坂」。こざっぱりした印象だが、坂の先(左の奥)にアクアパークがあるためか、人の流れが途切れることはない。

坂を下りて来る分には、散歩するのによさそうな坂道。

ゲレンデのようにも見えるのがまた一興だと思う。

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#085 環七から望む三複線(2018.02.13)

東十条から十条方面に向け、環七通りを進む。

その方向だと上り坂になり、京浜東北線東北本線など、JRの三つの複線を越え、台地に出る。

三複線の様子を撮ろうと構えていたら、偶然にも珍しい車両が向かって来た。

それはE655系「和(なごみ)」。

情報を得た上で撮るのもいいが、たまたま居合わせて撮るというのはまた格別だと思う。

いい一日になりそうだ・・・そんな気がした。

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#084 柴又帝釈天(2018.02.03)

土曜の節分。せっかくなので、午後に行われる豆撒式などに出かける。

これまで節分会では訪ねたことのなかった寺社にしようと思い立ち、柴又帝釈天に向かった。

開会は14時から。境内には10分前に入った。

すでに大勢の人達で賑わっていたが、どこか張り詰めた雰囲気があった。

空模様や気温のせいかも知れない。写真からもその空気を感じる。

豆撒式では、「神猿」と鬼との間で問答が交わされる場面があり、問答の末、鬼が退散した後に、福豆が撒かれる。掛け声は終始、「福は内」だった。

時間は10分程。短時間ではあったが、これぞ節分という厳かな印象を受ける式だった。

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#083 ミッドタウン・ガレリア(2018.01.27)

久し振りに東京ミッドタウンを訪ねる。

外は風も強く、かなりの寒気だったが、建物に入れば至って穏やか。気分も和らぐ。

ガレリアは、4層分の吹き抜けが特徴。細い水柱を円柱状に並べ、滝を表現したという「ツリーシャワー」も目を惹く。

吹き抜けに注ぐ光、シャワーを滑る水…どちらも白々としているが、冷たさは感じない。

木調の内装がもたらす暖色が利いているのだろう。

デザイン性の優れた空間だと改めて思う。

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#082 雪舞う九段下(2018.01.22)

予報通りだったが、予想以上だった月曜の雪。

雪道をできるだけ歩かずに済むよう、九段下駅から帰ることにした。

軽い粉雪も、強風に乗れば重さを得る。

そして、上からでも横からでも、そこにあるものを白くしてしまう力を持つ。

駅名の看板を見て、その威力を思い知った。

雪風は階段にも吹き込む。

一歩一歩踏みしめつつも、足早に下りるしかなかった。

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#081 巣鴨駅(2018.01.09)

JR巣鴨駅を見ながら白山通りを進む。

山手線などの線路は橋の下を通るため、ここでは東も西も視界が開ける。

それなりに雨が降った翌日の朝。

空はいつも以上に青く感じた。

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