続々 東京百景

東京23区のちょっとしたシーンをご紹介します。(「東京百景」「続 東京百景」に続く小品集です)

#041 煙、汽笛・・・池袋西口の蒸機(2017.03.25)

昼下がりの池袋西口。遠くから西口の公園の方を見遣ると、煙が立ち込めていて、何事かと思う。

この日、池袋西口公園などで「鉄道模型芸術祭」なる催しがあり、その一環で、蒸気機関車が登場。煙は、その蒸機が出していたものだった。

小型ながらも本格的。石炭を使っているので、その煙も強力な感じだった。

蒸機の名は「マフ・ポッター号」。羅須地人鉄道協会という団体のオリジナル機関車だそうだ。

東京芸術劇場東武百貨店などに囲まれているせいか、汽笛がよく響く。

その残響が心地よかった。

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#040 赤羽台の新キャンパス(2017.03.19)

東京都北区赤羽の台地、その名の通り「赤羽台」に、東洋大学の新キャンパスが誕生した。

開校は4月。

そのお披露目イベントが、三連休の中日に開かれた。開校後はそう易々とは入れないだろうから、とにかく足を運んだ。

かつて中学校があった地に、大学のキャンパスが設けられた訳だが、校舎が新設されるとなれば、そのデザインも斬新な感じに・・・スノコというか物流パレットというか、不思議な板材が窓の列に並び、アート然としていた。

芸術、工芸に関する学部が入りそうな印象を受けるが、開学するのは「情報連携学部情報連携学科」。

さまざまな向きに情報を発信する、そんな見方ができそうだ。

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#039 浅草発 新型特急(2017.03.10)

デビュー前の新型車両が、試乗を兼ねて貸切で運転されることがある。

この日は、東武の「Revaty(リバティ)」なる新しい特急用車両がお試しで走るというので、出発地に近い場所で見送ることにした。

浅草発は9:30と10:27の2回。その2回目を待った。姿を見せたのは、予定時刻の数分後だった。

浅草駅を出た列車は、徐行しながらカーブを進み、低速のまま隅田川を渡る。普通も特急も同じ。

スピード感はないが、遅い方が観察するにも撮影するにも好都合というものだ。

実物のRevatyの印象は、コンパクト、精悍、未来的。

ちょうど先頭部に陽の光があたり、より輝かしく見えた。

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#038 鹿浜橋(2017.03.04)

足立区内での環七通りは、東西を直線状に結ぶ区間がメイン。

その直線が終わる西側にあるのが鹿浜橋。橋は、南西方向と北東方向をつなぐ形、即ち「/」の向きで架かり、この付近では北西から南東へ流れる荒川と、地図上で交差する。

その北西方向を撮ってみた。

奥の高い建築物は、川口にあるタワーマンション。55階建てだが、それほど高くは感じない。

橋からタワーまでは、直線で約2.5kmある。遠くはないが、不思議と距離を感じる。

空は、とにかく広かった。

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#037 上野駅13.5番線(2017.02.26)

上野駅の地上ホーム13番線と14番線の間に、新たなホームと通路ができる。

工事が進められているのは承知していたが、気が付くとほぼ出来上がっていて、実に整然とした印象。

通路はひたすら真っ直ぐで、どこまでも続いていくように見える。

この直線空間、両番線の中間にあるので、「13.5番線ホーム」と呼ぶそうだ。

5月にデビューするクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」は、左の13番線に入るが、お客が乗り込むのは、13.5番線。入口には専用のゲートが設けられることになっている。

この構図で撮れるのは、ゲートができる前までか。

2月27日は、札幌発の最後のカシオペアが13番線に入ってくる。

カシオペアと13.5番線」・・・そんな題の写真も多く撮られることだろう。

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#036 梅ヶ丘駅、午後五時(2017.02.04)

梅屋敷の次は、梅ヶ丘。

羽根木公園で、白加賀などの白梅、紅千鳥などの紅梅を観る。

日は伸びたが、午後五時が近づけば辺りは暮色。夕日を受ける梅もなかなかだった。

列車を待つ間、ホームには日没前の光が射し込む。

しばらく眩しかったが、五時台最初の新宿行きが入ってくる頃には、その光は幾分収まった。

淡い光を背にした列車は、その車体特有の色合いを表出・・・静かな寒色、そんな印象を受けた。

「各停」を表示する背景色の青も鮮やかだった。これも光の加減かも知れない。

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#035 梅屋敷公園にて(2017.02.04)

2月4日、立春

梅を観るにはまだ早いと思いつつも、梅とゆかりのある場所を訪ねることにした。

まずは、京急の梅屋敷。京急蒲田に向かい歩いて行くと、駅名の由来でもある梅屋敷公園に出る。

思いがけず、多くの梅が開花していて、辺りにはその香りが漂っていた。

写真の背景は、京急の高架。電車からは見下ろす格好になる。

車窓からの観梅もいいかも知れない。

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#034 まさかの急な坂(2017.02.03)

自転車に乗る機会が増え、この日は新宿へ。都電荒川線に沿うように南下することにした。

都電雑司ヶ谷から鬼子母神前までは、工事中ながらも線路沿いに道がある。さらに直進すると、目白通り(千登世橋上)に出た。

都電や明治通りを見下ろしてみると、橋が意外に高いことがわかる。

同時に、橋の上から明治通りを結ぶショートカットが階段しかない、つまり自転車ではすぐにアクセスできないことを知る。

少し東に行くと、南に抜ける道があった。が、その先で驚くべき光景に出くわす。

これまでに経験したことのないような急坂・・・自転車に乗ったままではまず下れない坂がそこにはあった。

坂上から見たその傾斜は、難度の高いゲレンデの如し。自転車を降り、蛇行するように下った。

あとで調べたら、23区内屈指の急勾配だった。

坂の名は「のぞき坂」という。自転車だから来れた場所だが、自転車では通れない難所だった。

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#033 北品川橋、品川浦(2017.01.28)

京急泉岳寺新馬場(1.7km)を連続立体交差化する計画があり、その「都市計画素案説明会」が開かれるというので、会場の台場小学校へ足を運んだ。

その道中、通ったのが北品川橋。橋の北側は屋形船のたまり場で、その密度が水面を押さえているようだった。

水は濁っていて、透明感はなかったが、船や船宿など、そこにあるものを映し出し、鏡の如し。鈍い色の中に、空の青も取り込んでいるのが印象的だった。

ここはかつての目黒川。今は品川浦というのだとか。(→参考

時代をずっと遡れば河口部、つまり海が目の前に広がる場所だった。往時の景色を思い描く楽しみがここにはある。

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#032 車窓越しのレインボーブリッジ(2017.01.21)

お台場にある某温泉施設で過ごし、帰りは品川駅行きのシャトルバスに乗る。

バスは、当然のようにレインボーブリッジを経由。低い太陽が照らす東京港を眺めることができた。

都バス以外のバスでこの橋を通るのはおそらく初めて。

その大きな窓からの眺望はなかなかのもの・・・西側のループを下る途中では、橋の全景をしっかり捉えることができた。

窓越しながら、上々の一枚。都バスではこうはいかない。

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